「クリスマスギフト」 篇
“愛の告白よりももっともっと聞いていたい言葉だった。「こんど」ってただそれだけなのに。”
— よしもとばなな『どんぐり姉妹』新潮社 p68
“恋のときの状態は、そうでないときには決して思い出せない。 胸の奥から甘い蒸気が立ち上ってくるみたいな。それが自分の歩き方も考え方も表情もみんな支配してるみたいな。”
— よしもとばなな『ジュージュー』文藝春秋 p61
“どうしてもどうしてもさわりたくて、気が狂うほど、もういてもたってもいられなくて、彼女の手に触れることができたらもうなんでもする、神様。 そう思った。そう思ってした。自然も不自然もない。せざるをえない。思い出した。本当はそうだった。何となく気があるふたりがいて、何となく約束して、夜になって、食べて飲んで、どうする?となって、今日あたりいけるとお互いが暗黙の打ち合わせをしてる、というものではなかった、本当はただたださわりたくて、キスしたくて、抱きしめたくて、少しでも近くに行きたくてたまらなくて一方的にでもなんでも、涙がでるほどしたくて、今すぐ、その人とだけ、その人じゃなければ嫌だ。 それが恋だった。思い出した。”
— よしもとばなな「とかげ」
家の前と通学路